去年の9月20日、私の日本留学生活が始まった。
5月上旬から留学の準備をし始め、出発日の決定までわずか五ヶ月ぐらいだったので、結構慌てていたといえる。
最初の一週間は母が連れてきてくれたお陰で、手続きなどを順調に終え、夜は母の手作り節約料理を食べたりした。
その後、台湾で知り合った友人が大阪から私を訪ねてきて、一週間一緒に過ごした。
彼女が大阪に帰る際に、私はようやく一人暮らしの実感がし始めた。

 

 
最初は知りあいが一人でもいなかったし、日本語もできなかったし、本当に辛かった。
しかも数ヶ月後の博士課程試験のために、修士論文の翻訳をしなければならなかったので、無理やり翻訳し始めた。
そのときの生活は翻訳、食事、テレビ聞き取り練習の繰り返しであり、退屈ではあったが、
それより、一人ぼっちの孤独感や外国人としての疎外感が非常に巨大であったため、
緊張で落ち着けない毎日が続いていた。

 

 
学校が始まり、初めてゼミに参加し、ショックを受けてしまった。
初めての外国語授業だったので、私は20%ぐらいしか聞き取れなかった。
しかし、自分が聞き取れないのがばれないように、必死に聞き取れているようなふりをしていた。
そのときの自分は情けないと思っていた。だが、どのように落ち込んでいても生活は続いていく。
ゼミの発表もしなければならないため、日本語が下手だとしても頑張ってやるしかなかった。



そのとき、彼と遠距離になり、余計に孤独を感じていた。
そのときの日記を読み直すと、ほぼ毎日落ち込んだり泣いたりして過ごしていた。
そのときの辛さはすでにないが、その記憶は確かに心に残っている。
幸い、その後は段々友達ができ、日本語も少しずつ上手くなっていき、
より楽しい生活が送られるようになった。

 


博士課程試験を一生懸命準備していたが、結局受からなかった。
将来はどうすればいいのか、どこが私の居場所なのかについて悩んでいた。
先が見えないため、不安な日々を送っていった。
初来日の辛さとは異なっているが、おそらくより深刻かもしれなかった。
一言でいうと、人生に完全に絶望したといえるだろう。
来日半年も経ったのに、日本語はまだまだ上手くできなかったり、
もう一度院試を受けても受かる自信がなかったりしたため、全てを放棄したいという状態であった。

 

幸い、完全に放棄せずに全ての辛さを乗り越え、今を迎えた。
9月に入ると、一年間の交換留学生の友達が帰国するので、この一年間の思い出が頭に浮かんできた。
留学生活は決して楽で簡単なことではなく、むしろ苦労ばっかりだったが、
今思い出すと、そんなに辛くでもないと思うようになってきている。
日本語はまだ上手くないが、最初のときよりだいぶ良くなってきてる気がしている。
これからも辛いことや苦労が続いていくが、この一年間のことを思うと、
きっとなんでも乗り越えられると信じ始めた。

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